二次試験ankiのススメ
ANKIって?
Anki は、誰でも使える知的な分散学習システムです。しかも無料でオープンソース。 (Ankiヘルプより)
Ankiとは、暗記カード(英単語を覚えるときに使うあれ)を電子化したものです。内部でうまいことやってくれてちょうど忘れそうな頃に問題を出題してくれるため、非常に効率的に勉強ができるそうです。
詳しくは以下のサイトを参考にしてください https://rs.luminousspice.com/how-to-anki/
https://note.com/satoken990/n/nd072256f6fda
インストール
以下のサイトを参考にしてください https://rs.luminousspice.com/install_anki/
Anki活用のコツ
Ankiを活用し始めたばかりで何をえらそうに!と怒られそうですが、少し使ってみてわかったコツを。
1_カード作成は頑張らない
二次試験の範囲は膨大です。完璧なAnkiカード作成を開始したら膨大な時間がかかり、手段が目的化することは想像に難くありません。数時間のうちに一気に作り切ってしまいましょう。
アクチュアリー試験範囲のカード作成を効率的に行う手法は後で紹介します。
2_レイアウト・見た目に工夫を加える
レイアウトにひと手間加えると効率が上がります。
(そんなキレイじゃないとかいわないで)
この例では一番上にセクションを、その後に問題と回答を、最後にコメントをつけています。
特にコメントは重要で、1_カード作成は頑張らないでも挙げたように最初に作成するカードは一気に作成する関係上、後からいろいろ書き足せる枠をあらかじめ用意しておいた方が絶対に良いです。
実際の作業手順は、テンプレートと呼ばれるものを編集して行います。 以下のサイトを参考にしてください https://yurudream.com/2020/01/27/anki-tenplate/
テンプレートはオリジナルで作成することも可能ですが、htmlとcssを用いるのでハードルが高い人もいるかもしれません。 私が作成したテンプレートを公開しますので、参考にしてみてください。
①暗記問題用
表面のテンプレートに以下を張り付け
<div class="boxSection"> <p>{{Section}}</p> </div> <hr> {{Front}}
裏面のテンプレートに以下を張り付け
{{FrontSide}} <div class="boxBack"> <p>{{Back}}</p> </div> {{#Comment}} <div class="boxComment"> <p>{{Comment}}</p> {{/Comment}}
書式に以下を張り付け
.card { font-family: arial; font-size: 20px; text-align: left; color: black; background-color: white; } .boxSection { padding: 0em 0.5em;/*上下 左右の余白*/ color: #494949;/*文字色*/ background: transparent;/*背景透明に*/ border-left: solid 5px #7db4e6;/*左線*/ } .boxBack{ padding: 0.5em 1em; margin: 2em 0; color: #5d627b; background: white; border-top: solid 5px #5d627b; box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, 0.22); } .boxBack p { margin: 0; padding: 0; } .boxComment{ margin:2em 0; position: relative; padding: 0.25em 1em; border: solid 2px #ffcb8a; border-radius: 3px 0 3px 0; } .boxComment:before,.boxComment:after { content: ''; position: absolute; width:10px; height: 10px; border: solid 2px #ffcb8a; border-radius: 50%; } .boxComment:after { top:-12px; left:-12px; } .boxComment:before { bottom:-12px; right:-12px; } .boxComment p { margin: 0; padding: 0; }
フィールドの設定を以下のように変更
②穴埋め問題用
表面のテンプレートに以下を張り付け
<div class="boxSection"> <p>{{Section}}</p> </div> <hr> {{cloze:Front}}
裏面のテンプレートに以下を張り付け
<div class="boxSection"> <p>{{Section}}</p> </div> <hr> {{cloze:Front}}<br> {{#Back Extra}} <div class="boxComment"> <p>{{Back Extra}}</p> {{/Back Extra}}
書式に以下を張り付け
.card { font-family: arial; font-size: 10px; text-align: left; color: black; background-color: white; } .cloze { font-weight: bold; color: blue; } .boxSection { padding: 0em 0.5em;/*上下 左右の余白*/ color: #494949;/*文字色*/ background: transparent;/*背景透明に*/ border-left: solid 5px #7db4e6;/*左線*/ } .boxBack{ padding: 0.5em 1em; margin: 2em 0; color: #5d627b; background: white; border-top: solid 5px #5d627b; box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, 0.22); } .boxBack p { margin: 0; padding: 0; } .boxComment{ margin:2em 0; position: relative; padding: 0.25em 1em; border: solid 2px #ffcb8a; border-radius: 3px 0 3px 0; } .boxComment:before,.boxComment:after { content: ''; position: absolute; width:10px; height: 10px; border: solid 2px #ffcb8a; border-radius: 50%; } .boxComment:after { top:-12px; left:-12px; } .boxComment:before { bottom:-12px; right:-12px; } .boxComment p { margin: 0; padding: 0; }
フィールドの設定を以下のように変更
効率的なカード作成
実際にカードを作成する際のコツです。
全般
AnkiはAnkiアプリ上でもカードを追加できますが、csvデータを取り込んでカードにすることも可能です。したがって、以下のようにテキストエディタで教科書や法令をcsvデータに加工して、一気にAnkiに登録したほうが作業しやすいでしょう。
教科書
教科書をAnkiにする際には、キーワードだけを並べるイメージで進めるのがおすすめです。
(例)問題として「営業保険料を決定する際に考慮すべき点」というカードを作る際には、回答には教科書の項目建てである「十分性(改行)公平性(改行)収益性」とだけ記載する。必要な解説はAnkiを進めながらコメントを追加していく
項目を列挙するだけなら対して時間もかからずに終わります。内容を充実させていくのはAnkiを進めながら出十分なのです。こんな感じで教科書の項目を列挙しただけの問題をたくさん作りましょう。
法令
法令をAnkiにする際には、手入力はせずWebサイトからコピペしてきた法令を基に穴埋め問題にするのがお手軽です。ただし、コピペしてきたデータはAnkiに登録するためのcsvデータとしては不適切なので、上手いこと加工してやる必要があります。
監督指針を加工する場合
監督指針は金融庁が公開していますので、これを使うのが良いでしょう https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/ins/02a.html これをこんな感じに加工しやすい状態に成形します。 正規表現での置換が可能なテキストエディタ(VScodeがおすすめ)に貼って、以下の手順で置換を繰り返せば成形されます。
--1マル~を置き換え
置換前:マル([0-9|1-9]*)
置換後:【$1】
--2項目建てがないがそれ単体で問題となるやつ
置換前:(\nIV.*?\n(?!())
置換後:$1〇
--3不要な改行を削除
置換前:\n(?!([1-9]|IV|〇)
置換後:<br>
--4タブを追加
置換前:\n(?!II)
置換後:\n\t
--5改行を減らす
置換前:<br><br>
置換後:<br>
--6適当に改行を追加→この段階で穴埋め問題を作成
置換前:<br>
置換後:<br>\n
--7_CSV形式に戻す
置換前:<br><br>
置換後:<br>
章によってIIをIVとかに変える必要があるかもしれませんが、適切に変更してください
穴埋め問題を作成する際は、穴埋めする箇所を{{c1::と}}で挟まなければなりません。Ankiで範囲を選択してボタンを押せばやってくれますが、c1についている数値が{{c2::、{{c3::とどんどん上がっていってしまいます。番号が同じでないと複数個所の穴埋め問題として認識してくれないので、c1についている数値が上がってしまうのは非常に困ります。
また、Ankiで一枚ずつ穴埋め問題を作るのも、どこまで作業したかわからず手間なので、テキストエディタ内で一気に作業を進めたいところです。
例えば一つの解決策として、選択範囲を{{c1::と}}とで囲むマクロやRPAツールを使う手法があるでしょう。
以下は、UWSCで実装した、F2キーを押すと選択範囲を{{c1::と}}とで囲むマクロです。 (UWSC)https://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se115105.html
while 1 ifb getkeystate(VK_F2) c1() endif sleep(0.01) wend procedure c1() while getkeystate(VK_F2) sleep(0.01) wend KBD(VK_CTRL,down,100) KBD(VK_C,down,1) sleep(0.01) KBD(VK_C,up,1) KBD(VK_CTRL,up,1) str = getstr(0) str = "{{c1::" + str + "}}" sendstr(0,str) KBD(VK_CTRL,down,10) KBD(VK_V,down,10) KBD(VK_V,up,1) KBD(VK_CTRL,up,1) fend
(とりあえず動けばよかったのでかなり乱雑な作りです)
同様の事はVBAでもできるので、VBAに興味がある方はVBAでの実装を試してみるとよいでしょう。
法令を加工する場合
出題傾向が比較的はっきりしている(教科書に引用されている部分)のでそこまで作業は多くないと思います。教科書の範囲を超えて幅広に作成されたいかたは、監督指針での作業を応用すれば上手いこと加工できます。(需要があれば記事を書きます)
取り込み
後は作成したデータをcsvとしてAnkiに取り込むだけです。必要があればExcel等で加工・保存しましょう。取り込む際には何列目を何に取り込むか聞かれるので、ちゃんと問題が記載されている列をFrontに割り当てるようにしましょう。 例えば、1列目に問題が記載されている場合は上記画像のようにします。
まとめ
ここまでの作業で大量のAnkiカードが完成したと思います。(私の場合は生保1・2合わせて500枚程度出来上がりました)。これで効率的に暗記を進めて、充実した計算問題・所見対策に努めましょう!