生保アクチュアリー試験勉強

緑色の文字は緑色の下敷きで隠せるから暗記に活用してね!

二次試験ankiのススメ

ANKIって?

Anki は、誰でも使える知的な分散学習システムです。しかも無料でオープンソース。 (Ankiヘルプより)

Ankiとは、暗記カード(英単語を覚えるときに使うあれ)を電子化したものです。内部でうまいことやってくれてちょうど忘れそうな頃に問題を出題してくれるため、非常に効率的に勉強ができるそうです。

詳しくは以下のサイトを参考にしてください https://rs.luminousspice.com/how-to-anki/

https://note.com/satoken990/n/nd072256f6fda

インストール

以下のサイトを参考にしてください https://rs.luminousspice.com/install_anki/

Anki活用のコツ

Ankiを活用し始めたばかりで何をえらそうに!と怒られそうですが、少し使ってみてわかったコツを。

1_カード作成は頑張らない

二次試験の範囲は膨大です。完璧なAnkiカード作成を開始したら膨大な時間がかかり、手段が目的化することは想像に難くありません。数時間のうちに一気に作り切ってしまいましょう。

アクチュアリー試験範囲のカード作成を効率的に行う手法は後で紹介します。

2_レイアウト・見た目に工夫を加える

レイアウトにひと手間加えると効率が上がります。

f:id:ehekatlact:20210117193609p:plain
(そんなキレイじゃないとかいわないで)

この例では一番上にセクションを、その後に問題と回答を、最後にコメントをつけています。

特にコメントは重要で、1_カード作成は頑張らないでも挙げたように最初に作成するカードは一気に作成する関係上、後からいろいろ書き足せる枠をあらかじめ用意しておいた方が絶対に良いです。

実際の作業手順は、テンプレートと呼ばれるものを編集して行います。 以下のサイトを参考にしてください https://yurudream.com/2020/01/27/anki-tenplate/

テンプレートはオリジナルで作成することも可能ですが、htmlとcssを用いるのでハードルが高い人もいるかもしれません。 私が作成したテンプレートを公開しますので、参考にしてみてください。

①暗記問題用

表面のテンプレートに以下を張り付け

<div class="boxSection">
<p>{{Section}}</p>
</div>

<hr>

{{Front}}

裏面のテンプレートに以下を張り付け

{{FrontSide}}

<div class="boxBack">
<p>{{Back}}</p>
</div>

{{#Comment}}
<div class="boxComment">
<p>{{Comment}}</p>
{{/Comment}}

書式に以下を張り付け

.card {
font-family: arial;
font-size: 20px;
text-align: left;
color: black;
background-color: white;

}

.boxSection {
  padding: 0em 0.5em;/*上下 左右の余白*/
  color: #494949;/*文字色*/
  background: transparent;/*背景透明に*/
  border-left: solid 5px #7db4e6;/*左線*/
}

.boxBack{
    padding: 0.5em 1em;
    margin: 2em 0;
    color: #5d627b;
    background: white;
    border-top: solid 5px #5d627b;
    box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, 0.22);
}
.boxBack p {
    margin: 0; 
    padding: 0;
}

.boxComment{
    margin:2em 0;
    position: relative;
    padding: 0.25em 1em;
    border: solid 2px #ffcb8a;
    border-radius: 3px 0 3px 0;
}
.boxComment:before,.boxComment:after
{
    content: '';
    position: absolute;
    width:10px;
    height: 10px;
    border: solid 2px #ffcb8a;
    border-radius: 50%;
}
.boxComment:after {
    top:-12px;
    left:-12px;
}
.boxComment:before {
    bottom:-12px;
    right:-12px;
}
.boxComment p {
    margin: 0; 
    padding: 0;
}

フィールドの設定を以下のように変更

f:id:ehekatlact:20210117194659p:plain

②穴埋め問題用

表面のテンプレートに以下を張り付け

<div class="boxSection">
<p>{{Section}}</p>
</div>

<hr>

{{cloze:Front}}

裏面のテンプレートに以下を張り付け

<div class="boxSection">
<p>{{Section}}</p>
</div>

<hr>

{{cloze:Front}}<br>

{{#Back Extra}}
<div class="boxComment">
<p>{{Back Extra}}</p>
{{/Back Extra}}

書式に以下を張り付け

.card {
font-family: arial;
font-size: 10px;
text-align: left;
color: black;
background-color: white;

}

.cloze {
 font-weight: bold;
 color: blue;
}

.boxSection {
  padding: 0em 0.5em;/*上下 左右の余白*/
  color: #494949;/*文字色*/
  background: transparent;/*背景透明に*/
  border-left: solid 5px #7db4e6;/*左線*/
}

.boxBack{
    padding: 0.5em 1em;
    margin: 2em 0;
    color: #5d627b;
    background: white;
    border-top: solid 5px #5d627b;
    box-shadow: 0 3px 5px rgba(0, 0, 0, 0.22);
}
.boxBack p {
    margin: 0; 
    padding: 0;
}

.boxComment{
    margin:2em 0;
    position: relative;
    padding: 0.25em 1em;
    border: solid 2px #ffcb8a;
    border-radius: 3px 0 3px 0;
}
.boxComment:before,.boxComment:after
{
    content: '';
    position: absolute;
    width:10px;
    height: 10px;
    border: solid 2px #ffcb8a;
    border-radius: 50%;
}
.boxComment:after {
    top:-12px;
    left:-12px;
}
.boxComment:before {
    bottom:-12px;
    right:-12px;
}
.boxComment p {
    margin: 0; 
    padding: 0;
}

フィールドの設定を以下のように変更 f:id:ehekatlact:20210117195011p:plain

効率的なカード作成

実際にカードを作成する際のコツです。

全般

AnkiはAnkiアプリ上でもカードを追加できますが、csvデータを取り込んでカードにすることも可能です。したがって、以下のようにテキストエディタで教科書や法令をcsvデータに加工して、一気にAnkiに登録したほうが作業しやすいでしょう。

教科書

教科書をAnkiにする際には、キーワードだけを並べるイメージで進めるのがおすすめです。

(例)問題として「営業保険料を決定する際に考慮すべき点」というカードを作る際には、回答には教科書の項目建てである「十分性(改行)公平性(改行)収益性」とだけ記載する。必要な解説はAnkiを進めながらコメントを追加していく f:id:ehekatlact:20210117195501p:plain

項目を列挙するだけなら対して時間もかからずに終わります。内容を充実させていくのはAnkiを進めながら出十分なのです。こんな感じで教科書の項目を列挙しただけの問題をたくさん作りましょう。

法令

法令をAnkiにする際には、手入力はせずWebサイトからコピペしてきた法令を基に穴埋め問題にするのがお手軽です。ただし、コピペしてきたデータはAnkiに登録するためのcsvデータとしては不適切なので、上手いこと加工してやる必要があります。

監督指針を加工する場合

監督指針は金融庁が公開していますので、これを使うのが良いでしょう https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/ins/02a.html これをこんな感じに加工しやすい状態に成形します。 f:id:ehekatlact:20210117200337p:plain 正規表現での置換が可能なテキストエディタ(VScodeがおすすめ)に貼って、以下の手順で置換を繰り返せば成形されます。

--1マル~を置き換え
置換前:マル([0-9|1-9]*)
置換後:【$1】
--2
項目建てがないがそれ単体で問題となるやつ
置換前:(\nIV.*?\n(?!())
置換後:$1〇
--3不要な改行を削除
置換前:\n(?!([1-9]|IV|〇)
置換後:<br>
--4
タブを追加
置換前:\n(?!II)
置換後:\n\t
--5改行を減らす
置換前:<br><br>
置換後:<br>
--6
適当に改行を追加→この段階で穴埋め問題を作成
置換前:<br>
置換後:<br>\n
--7_CSV形式に戻す
置換前:<br><br>
置換後:<br>

章によってIIをIVとかに変える必要があるかもしれませんが、適切に変更してください

穴埋め問題を作成する際は、穴埋めする箇所を{{c1::と}}で挟まなければなりません。Ankiで範囲を選択してボタンを押せばやってくれますが、c1についている数値が{{c2::、{{c3::とどんどん上がっていってしまいます。番号が同じでないと複数個所の穴埋め問題として認識してくれないので、c1についている数値が上がってしまうのは非常に困ります。

また、Ankiで一枚ずつ穴埋め問題を作るのも、どこまで作業したかわからず手間なので、テキストエディタ内で一気に作業を進めたいところです。

例えば一つの解決策として、選択範囲を{{c1::と}}とで囲むマクロやRPAツールを使う手法があるでしょう。

以下は、UWSCで実装した、F2キーを押すと選択範囲を{{c1::と}}とで囲むマクロです。 (UWSC)https://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se115105.html

while 1
    ifb getkeystate(VK_F2)
        c1()
    endif
    sleep(0.01)
wend

procedure c1()
    while getkeystate(VK_F2)
        sleep(0.01)
    wend
    KBD(VK_CTRL,down,100)
    KBD(VK_C,down,1)
    sleep(0.01)
    KBD(VK_C,up,1)
    KBD(VK_CTRL,up,1)
    str = getstr(0)
    str = "{{c1::" + str + "}}"
    sendstr(0,str)
    KBD(VK_CTRL,down,10)
    KBD(VK_V,down,10)
    KBD(VK_V,up,1)
    KBD(VK_CTRL,up,1)
fend

(とりあえず動けばよかったのでかなり乱雑な作りです)

同様の事はVBAでもできるので、VBAに興味がある方はVBAでの実装を試してみるとよいでしょう。

法令を加工する場合

出題傾向が比較的はっきりしている(教科書に引用されている部分)のでそこまで作業は多くないと思います。教科書の範囲を超えて幅広に作成されたいかたは、監督指針での作業を応用すれば上手いこと加工できます。(需要があれば記事を書きます)

取り込み

後は作成したデータをcsvとしてAnkiに取り込むだけです。必要があればExcel等で加工・保存しましょう。取り込む際には何列目を何に取り込むか聞かれるので、ちゃんと問題が記載されている列をFrontに割り当てるようにしましょう。 f:id:ehekatlact:20210117202649p:plain 例えば、1列目に問題が記載されている場合は上記画像のようにします。

まとめ

ここまでの作業で大量のAnkiカードが完成したと思います。(私の場合は生保1・2合わせて500枚程度出来上がりました)。これで効率的に暗記を進めて、充実した計算問題・所見対策に努めましょう!

生保1過去問演習

生保1_過去問

TODO

(H4)1992-1-2までやった

1-営業保険料

1989-2-1_付加保険料の考え方

  • 1989-2-1_付加保険料の考え方
  • 1992-1-1_費用主義と効用主義

  • 十分性

    • 各群団の付加保険料が、その群団に係る全ての経費を賄えること。
  • 普遍性・公平性
    • 一つの方式で多くの保険種類をカバーできる普遍性があること
    • 保険種類間で公平であること
    • トレードオフの関係にある
  • 費用主義・効用主義
    • 実際にかかるコスト比例で賦課する方式を費用主義という
    • 保険効用比例で賦課する方式を効用主義という
    • 費用主義では間接経費の分担のさせ方について論点となる
    • 効用主義では効用の定義及び指標の選択について困難が伴う
    • 両者をバランスよく取り入れることが望ましい
  • 簡明性・実行可能性

1989-2-2_α-β-γ方式

  • 予定新契約費α、予定維持費β、予定集金費γを用いた体系
  • 同一の保険種類の中では保険期間契約年齢に依存しない定数を用いる普遍性
  • 少ないパラメータで決定できる簡明性
  • 支出実態と対応させやすく収益管理が容易
  • 利源別配当方式における配当率決定が容易
  • 様々な保険種類に適用できる汎用性
  • 費用主義の観点から、件数比例の体系の導入を検討する
  • 効用主義の観点から、貯蓄効用に対応した責任準備金比例の体系の導入を検討する
  • 死亡保険金のない・少ない商品(第三分野等)では保険金比例の体系はなじまない

1989-2-3_予定利率のあり方

  • 1989-2-3_予定利率の在り方
  • 1991-1-1_ビルトイン方式

  • 保証利率であり、資産運用の実績によらず約定した保険金等を支払わなければならない

  • 保険種類保険期間保険料の払方運用実績将来の死回り予想等を基に、合理的かつ長期的な視点から適切な設定が行われる必要がある
  • 現在では、ALMの考えに則り適切な予定利率設定が求められる
  • 予定利率は保険の長期性から保守的に設定する必要がある。かつては経過年数別に予定利率を設定するビルトイン方式が用いられるケースもあった

1991-1-2_第二種の計算基礎率

  • マージンを含まない計算基礎率を第二種の計算基礎率という。現在ではあまり聞かない(最良推定とかベストエスティメイト等が近い概念か)

1990-1-1_バックエンドロード

  • アメリカのユニバーサル保険に際し導入された付加保険料体系
  • 契約当初はノーロードとしてキャッシュバリューを高める
  • 解約ないし一部引き出し時に解約控除の形で経費を徴収する
  • 対応する営業職員への給与も継続給与色彩が強くなる

1990-1-2_ALM手法におけるイミュナイゼーション

  • 生保2-ソルベンシー参照
  • 資産と負債のデュレーションをそろえ、資産のコンベクシティが負債よりも大なるようにすることで、金利変動に対する免疫性を与える

1990-2-3_年金開始後用の予定死亡率

  • 標準死亡率で年金開始後用がある。保険料計算用は論点となる
  • 生存保障であること、保証期間が長期であること、保険料の払込みがないことから以下の点に留意
  • 長寿リスクに対応するため安全割増を(引き下げるほうに)織り込む
  • 将来の死亡率改善の見込み:死亡改善トレンドの繁栄
  • 被保険群団の相違:死亡改善トレンドにより経過年数の影響を受けるため、経過年数を反映した死亡率も考えられる

1990-3-2_予定死亡率の設定について考慮すべき点

  • 死差損益は国民全体の死亡率動向の影響を強く受け、費差と異なり経営努力によってコントロールできる部分は少ない
  • 危険選択の結果を反映することが考えられる
  • 細分化することで競争力強化を図ることが考えられる。細分化の論点を踏まえ設定する
  • 基礎率の安全性は利率、事業費率も併せて全体で考える必要がある

1991-2-1_基礎率の安全割増

  • 安全割増の方法は内枠方式外枠方式がある
    • 内枠方式は各基礎率の中に安全割増を設定する方法
    • 外枠方式は安全割増を別途設定する方法
    • 我が国では内枠方式が広く用いられている
  • 将来の収支変動に耐えうるよう保守的に設定する必要がある
  • 有配当保険では配当により事後調整が可能である
  • 無配当保険では配当での調整が不可能であるため、基礎率を実際の経験率に近いものとしている

1991-2-2_変額保険の予定利率が低い理由

  • 販売政策上の理由
    • 予定利率を低くすることで一時払保険料が大きくなり、結果契約初期の特別勘定残高が大きくなる。このため、変動保険金が死亡保険金額を上回る機会が多くなり、変動保険金が死亡保険金を下回ることにより生じる風評リスクを抑えることができる
  • 保険数理上の理由
    • 変動保険金が死亡保険金を下回った際の死亡保険金額は最低保証される。この最低保証料を抑えるために予定利率を低くしている

1991-3-1_責任準備金比例の付加保険料

  • 資産運用セクションヘの配置人員の増加や機械化投資の増加を行い、資産運用関係事務付加の増大を招くこととなってきた。
  • α-β-γ方式では当該コストに十分に対応できない恐れがある
  • 責任準備金比例の付加保険料体系とすることで責任準備金支出とのリンクをより強めることができる

2-解約および解約返戻金

1989-3-1_解約返戻金の算出方法

  • 1989-3-1_解約返戻金の算出方法
  • 1992-1-2_解約控除

  • 解約控除の設定方法

  • 低・無解約返戻金型商品と予定解約率の設定
  • 解約返戻金額の最低保証のある変額年金とそのオプション性
  • MVAの機能のある商品
  • 保険料計算基礎率と標準責任準備金制度の関係
  • 解約控除の意義
    • 新契約費支出の回収
    • 投資上の不利益
    • 逆選択防止
    • ペナルティー
    • (今は挙げられていない)解約事務処理のための手数料
    • (今は挙げられていない)大数の法則の維持
  • 公平性の問題:特に残存する契約者との公平性
  • 開示の問題:返戻金額を記載した表を送っているがそれで十分か。(今でも大して変わってないような気がする)

1991-2-3_投資上の不利益

  • 保険会社は契約者がいつ解約するか知ることができない為、解約返戻金の支払いに備えて常に資産の流動性を一定程度確保しなければならない
  • この流動性確保のために利回りの高い資産への投資が制限され収益性が低下する
  • また、解約が大量に発生した場合は予期せぬ資産の売却も発生しうる

3-アセットシェア

1989-1-3_アセットシェア

  • 1989-1-3_アセットシェア
  • 1990-3-1_アセットシェアの活用

  • 保険数理上、同質と認められる契約群団毎に、群団の集積された正味資産を群団のすべての契約に分配して得られる個々の契約の持ち分又は貢献度

  • 過去の経験率に基づいて行われるものと、将来想定される率に基づいて行われるものがある
  • 保険料率の計算、責任準備金の十分性の確認、配当率決定と財源確認、会社組織変更における社員持ち分資産の確定、解約返戻金の水準検証、商品販売政策の立案、営業職員給与規定の検証等活用の幅は広い
  • 経験率の水準により結果は大きく変わる。特に利率の影響は大きいため、十分な検討が必要である。

4-生命保険の商品開発

1991-1-3_ドルコスト平均法

  • 長期にわたって一定の金額を一定期間ごとに一定の証券に投資する方法
  • 安値の時に購入小件数が多くなるメリットがある

5-変額年金保

1989-1-4_変額保険における特別勘定運営費

  • 通常の付加保険料とは別に、特別勘定の運営に要する費用のために年間で責任準備金資産の0.2%相当額を責任準備金から控除して予定事業費として計上していた
  • 現在では、各社の判断で設定している
  • 現在の変額年金保険では最低保証料を含め特別勘定残高比例で徴収することが一般的であり、最低保証リスクは(最低保証オプションがインザマネーになるほど保険料収入が減少する)ポジティブフィードバック構造がある

1990-1-3_変額保険における初期投資

  • 発売当初は特別勘定の規模が小さいため、効率的・安定的な運用が困難
  • 当局の認可を得て、初期投資として、一般勘定から特別勘定へ一時的な資金の振替が行われる
  • 初期投資に関わる収益は一般勘定に帰属する
  • 特別勘定の規模が大きくなった時点で、初期投資部分は特別勘定から一般勘定に振替えられる
  • 現在どうなっているかわからない

6-団体生命保険

1989-1-1_団体定期保険における経験料率

  • 1989-1-1_団体定期保険における経験料率
  • 1990-1-4_優良団体割引制度

  • 個人保険とは異なり、支払があっても契約は消滅せず継続すし、団体ごとの死亡発生状況が把握できる

  • この特性に基づき、団体ごとに死亡実績に応じて翌年度以降の保険料を増減させる
  • 経験保険料率や配当清算方式、優良体割引制度がある
    • 経験料率:団体の実績に応じて保険料を変動させる方式。無配当商品で事後の配当清算をなくす一方経験料率で調整し、保険料を低廉化する方法も考えられる
    • 優良体割引制度:一定の被保険者数を有し、支払率が低い契約について保険料を割り引く制度。経験料率の一種。昭和49年の団体定期保険の運営基準の改定により導入
    • 配当清算方式:保険金費用と剰余金に対する費用に基づく剰余金を用いて計算した贈与金を配当で還元する。
      • 保険金費用:信頼度方式損失限度方式による計算法がある
      • 剰余金に対する費用の内訳
        • 異常危険に対する準備金
        • 保険会社のマージン
        • 配当の一部団体内部留保部分
        • 危険賦課金

1991-1-3_団体保険における平均保険料方式

  • 契約日、更新日における被保険者毎の保険料を計算し、その保険料総額総保険金額で除したものを平均保険料率という
  • 年齢等によらず一律の保険料率を翌年の更新日まで用いる方法を平均保険料方式と呼ぶ
  • 期中の異動等を反映しないことで、事務コストを軽減し、低廉な保険料で保険を提供できる
  • 現在は年齢ランク別の平均保険料率を用いる方法も可能

7-医療保険

1989-1-5_医療保険の不担保期間

  • 一定日数以上入院した場合にのみ入院給付を行う場合におけるこの一定日数をいう
  • 全入院日数を給付対象とする方式(フランチャイズ方式)と、不担保期間の超過日数を給付対象とする方式(エクセス方式)がある
  • フランチャイズ方式では、入院を伸ばそうというインセンティブが働き、モラルリスクを誘発する可能性がある
  • 現在ではN社のNEWin1など、日帰り入院から入院給付金を支払うタイプも一般的になってきている。なおNEWin1は一時金タイプの要素も強い

1989-3-2_疾病入院の発生率

  • 1989-3-2_疾病入院の発生率
  • 1990-2-2_医療保険の予定発生率決定が困難な理由
  • 1991-3-2医療保険の開発基礎率の設定

  • 第三分野の特性

    • 医療保険の有する危険性はより主観的である。
    • 医療保険の経験値は死亡保険と本質的に異なり、経済社会動向医療技術の進歩・利便性によって影響を受ける
    • 統計データが不十分
  • 対応策
    • 売り止め・料率改定
    • 安全割増の見直し
    • 不担保期間の見直し
    • 保険期間の短縮
    • 給付内容の改定
    • 責任準備金の積増し(危険準備金含む)
    • 新旧商品との公平性は配当等で対応
    • 再保険の活用
    • 基礎率変更権の設定
    • 第三分野ストレステスト
    • ORSA・商品毎収益検証
    • 保有ポートフォリオ

1990-1-5_医療保険のIBNR備金

  • 現在では生命保険会社もIBNR備金を積み立てている

1991-3-2_医療保険の開発

  • 市場性
    • ニーズが多様であり商品内容が複雑、開発コストも大きい。開発コストなどを賄えるように十分な市場性があることが望まれる
    • 割高な保険料は危険度の高い契約者の加入が増えかえって危険度の高い保険軍団を形成する恐れがある
  • 商品設計
    • オーバーインシュアランス:公的健保と合わせて過大な給付とならないように注意
    • 免責事由の設定、保険金等の上限の設定、待期間・不担保期間の設定、反対給付の設定などを検討
    • 特約か主契約か
    • 金銭給付か現物給付か
  • 経験率悪化に対する対応
    • 実績が安定するまで再保険を活用する
    • 危険準備金の積立て、配当の抑制
    • 基礎率変更権の設定

8-再保険

1989-1-2_危険保険料式再保険

  • 自動更新1年定期保険となっている再保険
  • 再保険金を危険保険金(概算も可)に比例して定める方式。
  • 発生率関係のリスクのみ移転される
  • 事務管理が容易であり、広く使用されている

1990-2-1_ストップロス・エクセスオブロス

  • ストップロス
    • 生命保険では限られた分野でのみ活用される
    • 元受契約群団の一定期間の保険金支払総額が一定金額を超過した場合、その超過分を再保険会社が再保険金として支払う
    • 支払限度が設定されているケースが多い
    • 経験死亡率が不安定な設立間もない生保会社に有用
    • 大規模会社では、団体保険に関し個々の団体ごとに再保険を付すことで団体保険の業績安定を図ることができる
    • 未経験のリスクに対しても有用
    • ELCと比べると保険料は割高、しかし再保険事務は簡便
  • エクセスオブロス
    • 一事故による保険金支払総額が一定額を超過した場合に超過額を再保険会社が支払う。
    • こちらも支払限度が設定されているケースが多い
    • 一定期間に発生し、その事故に因果関係があるすべての支払保険金を集計して保険金支払総額とする。
    • 巨大リスクや海外旅行保険集積リスクがある場合に有効
    • 移転されるリスクは発生率関係に限られる
    • 再保険事故発生の頻度発生した場合の金額規模という観点から、カタストロフカバーワーキングカバーの2種類に分けられる

1991-1-5_サープラス方式

  • 通算保険金額(通常1件単位)が一定金額を超えた場合に、当該超えた額を出再する方法をサープラス方式という
    • 少数の突出した高額契約のリスクを排除し、保険金支出の安定性を高めることができる
    • 自動再保険で選択されることが多い
  • 対するクオーターシェア方式では、保険金額の一定割合を出再する
    • 保有契約と同等のリスクであるため有利な再保険料率を得られる可能性が高い
    • 任意再保険で選択されることが多い

10-商品毎収益検証

生保2過去問演習

生保2_過去問

TODO

H1-2-2まで実施

1-生命保険会計

1989-1-1_保険業法第86条準備金

  • 1996年保険業法改定の際に消滅
  • 保険会社が資産の売却益または評価益の形で臨時益を得た場合これを自由に契約者に配当することを認めることは、配当競争を激化するだけでなく、将来の資産の低落によって評価損売却損を生ずることがあるので、かかる利益を社外に流出させることは資産内容の不健全化を招く恐れがある
  • 当時はあまり積極的に活用されてなかった(2016年年次大会より)

1989-1-2_特別法入税

  • 適格退職年金契約、厚生年金基金契約、勤労者財産形成給付契約、勤労者勉廃形成基金結句契約に基づく積立金に対してかかる法人税
  • 現在、凍結されている。撤廃には至っていない

1989-1-3_7%最低課税方式

  • 課税所得が剰余金の7%を下回る場合、剰余金の7%を課税所得とみなし、法人税を計算する
  • ただし、団体定期保険心身障害者扶養者生命保険再保険については剰余金を1/2にする
  • 責任準備金繰入および配当準備金繰入が損金算入されるようになった当時、課税所得が発生しなくなったための処置
  • 換言すれば、剰余金*7%-課税所得相当額を配当準備金損金算入額を否定している
  • また、保険会社は損失が生じ倒産に至りつつある状況においても、7%最低課税方式により法人税を支払い続ける事となり、健全性の観点から課題がある

1989-1-5_限度積立

  • 保険料の収入は現金主義によっており、未収保険料は計上しない
  • これに対応し、責任準備金の積立も保険料の入金を限度として行うよう保険業法施行規則第69条第2項で規定されている
  • 年度末有効契約について、一応、払込期日が到来した保険料につき全て入金があったものとして責任準備金を計算し、それから未収保険料中の保険料積立金及び未経過保険料相当額を差し引く
  • ただし、死亡請求等のみはあると考え、死亡保険金等(第三分野も含む)の危険保険料相当額は未経過保険料として積み立てる。

1989-2-1_生命保険会計の特徴

  • 超長期性
    • 超長期にわたって適正な支払能力を確保する必要があり、責任準備金やソルベンシーが必要
    • 契約者保護を目的とした会計では、期間損益の明確化が必ずしも可能ではない。
    • 真の剰余は群団の消滅まで確定しない
  • 群団性
    • 保険制度は大数の法則を前提としており、保険契約は群団としてとらえるべきである
    • 目的に応じた群団を設定し、群団間の公平性を保ちつつ支払能力の確保を行う
  • 保険料構成要素の多様性
    • 保険料の構成要素は3つの要素からなる
    • 利源分析等、保険料の各要素を費用に対応させる方法は種々考えられる
    • 普遍的に正しい方法があるわけではない

3-契約者配当

1989-2-2_社員配当準備金明細表

  • 社員配当準備金明細表は、期中における同準備金の異動状況を表す
  • 前期末残高
    • 前年度末の配当準備金残高
      • 内訳は以下の通り
      • 割当済未払のもの
      • 積立据置中のもの
      • たまり
  • 前年度末剰余金からの繰入額
    • 前年度の剰余金処分により配当準備金に繰り入れた額
    • 剰余金の20%以上を繰り入れる
  • 利息による増加額
    • 積立配当金の利息による増加分
    • 当期のPL上の社員配当金社員配当準備金戻入額の差額と一致する
  • 支払いによる減少額
    • 社員配当金として支払処理された金額
    • PL上の社員配当金の金額と一致

5-事業費の管理と分析

1989-1-4_蔵銀枠

  • 全期チルメル方式による予定事業費枠
  • 契約初年度に予定新契約費をすべて計上し、これを全期間にわたって償却する
  • 新契約費、維持費、集金費毎の事業費統制を行う場合に活用されるケースがあった
    • 現在は業界共通の尺度として利源枠があり、こちらを活用している事例が多いものと思われる
  • 新契約高によらず事業費効率が安定的であり、事業費効率改善の基準に適している
  • 保険料収入を超えた枠となりうること等、統制上甘い基準であるという意見もある
  • 予定事業費枠の水準が新契約高によって左右される

6-ソルベンシー

7-内部管理会計

8-相互会社と株式会社

監督指針_Ⅱ-2-5 商品開発に係る内部管理態勢

監督指針_Ⅱ-2-5 商品開発に係る内部管理態勢

監督指針_Ⅱ-2-5-1 意義

保険商品の内容は「普通保険約款」及び「事業方法書」に、料率については「保険料及び責任準備金の算出方法書」(以下、「算出方法書」という。)に記載されており、新商品の開発、商品内容の変更は、これらの変更を通じて行われている。

保険会社より商品の認可申請が行われた場合、監督当局としては、契約内容が保険契約者等の保護に欠けるおそれがないか、不当な差別的取扱いをするものでないか、契約内容が公序良俗を害するものではないか等の保険業法に定める基準に適合するものであるか審査を行い、適当と認められたものについて、これを認可することとしている。

近年、保険商品には、わが国における社会の構造的変化・経済活動の多様化等に伴い、国民の生活保障ニーズの高まり、新たなリスクの発生など、保険契約者ニーズに対応すべく多様化が求められている。

こうしたニーズに応え、保険会社が商品開発を行うにあたっては、保険業法等の法令等を踏まえ、自己責任原則に基づき、リスク面財務面募集面法制面等あらゆる観点から検討する内部管理態勢の整備が求められているところ である。

また、保険商品に係る規制としては認可制の枠組みを維持しつつ、保険契約者等の保護の面で問題が少ないとされる商品分野については、順次届出制へ移行しており、さらに、法第 3 条第 5 項第 1 号及び第 3 号に掲げる保険(以下、「第二分野」という。)の企業保険については、届出をしないで特約を新設又は変更することができる特約自由方式が導入されるなど、従来にもまして、保険会社における商品開発に係る内部管理態勢の充実が重要となっている。

監督指針_Ⅱ-2-5-2 主な着眼点

(1) 商品開発に係る取締役の認識及び取締役会等の役割

取締役会において、保険会社の経営計画経営方針に沿った商品開発に係る方針を明確に定めているか。

② 取締役は、商品開発に係る内部管理が健全性維持適切な業務運営の確保に重大な影響を与えることを十分認識しているか。

③ 取締役会は、商品開発に係る内部管理について統合的に管理できる体制を整備しているか。また、上記の体制においては、例えば、商品開発に関連する各部門の間で相互牽制等の機能が十分発揮されるものとなっているか。なお、組織体制については、必要に応じ随時見直し、商品開発方針や内部管理手法の変更にあわせて改善を図っているか。

④ 適切な商品開発に係る内部管理を行うため、業務に精通した人材を所要の部署に確保するための人事及び人材育成等についての全社的な方針を、取締役会等又は取締役会から権限を授権されている取締役等(執行役員等の役員を含む。以下同じ。)が明確に定めているか。

⑤ 経営上の観点から重要なものについては、商品内容の概略決定にあたり、収支予測保険引受リスクコンプライアンス販売計画システム開発保険商品特有の道徳的危険等についての課題及び検討内容等を取締役会等において議論することが確保されているか。

保険計理人は、保険料及び責任準備金の算出方法その他の保険数理に関する事項について、関連する部門と連携を密にした上で、必要な場合には取締役会等に対して、問題点等を適確に報告しているか。

(2) 商品開発に関与する管理者の認識及び役割

① 商品開発に関連する部門の長及び商品開発に責任を有する取締役等(以下、「商品開発関連管理者」という。)は、自ら及び各部門の担当者が、商品開発に係る適切な内部管理を阻害することとならないよう、内部管理についての理解・認識の徹底を図っているか。

② 商品開発に際し、とりまとめ部門を設置している場合においては、適切な商品開発態勢を構築するために必要な管理・指導を関連する部門に行っているか。また、とりまとめ部門を設定していない場合においては、商品開発の全般について取締役等が内部管理の状況を統合的に管理しているか。

健全性維持適切な業務運営が確保されるような商品開発がなされるよう、商品開発のための規程を取締役会等で議論した上で整備しているか。また、商品開発に係る規程を充実・改善するよう、適切な方策を講じているか。

④ 商品開発関連管理者は、商品開発を行うための組織が機能を有効に発揮できるよう、専門性も考慮しつつ適切に人員の配置を行っているか。

(3) 取締役会等への付議体制

① 経営に重大な影響を与える新保険商品の開発又は既存保険商品の改廃に際し、当局への申請が必要なものについては、当局への申請前に取締役会等の付議を要することとしているか。また、取締役会等への付議基準は明確となっているか。

② 支店形態等で進出している場合など、当局への申請に際して本社等と現地組織との責任関係が明確となっているか。当局への申請前における本社等の承認が必要な場合にあたっては、法令等遵守状況の確認については現地組織において実施するものとなっているか。また、当該確認は現地組織の独立性が確保された上で、自己の責任に基づき実施されているか。

(4) 商品開発能力の向上のための措置

人材育成及び商品開発能力を向上させるための方法・体制を整備し、専門性を持った人材の育成を行っているか。

② 保険契約の内容が保険契約者等の需要利便に適合した内容となるよう、例えば、一般消費者に対する市場調査を適宜実施し、活用しているか。

(5) 関連部門との連携

① 商品開発案件の洗い出しは、適切なプロセスにより行われているか。例えば、顧客ニーズ営業対策面からの開発要請、保険引受リスク収益改善等からの要請、コンプライアンス上の必要性等の観点から検討されているか。

② 取締役会において定めた商品開発に関する方針に沿っているか、開発負荷はどの程度かといった点等を勘案して、開発案件の選定を適切に実施しているか。

③ 商品内容の概略決定にあたり、収支予測保険引受リスクコンプライアンス販売計画システム開発保険商品特有の道徳的危険等についての課題及び検討内容等を各関連部門において議論しているか。なお、収支予測については、商品ごとに保険会社の経営実態を踏まえた実現可能性の高い保険事故発生率並びに事業費その他のシナリオに基づき問題ないものとなっていることを確認しているか。

社内規定等に定める付加保険料の算出方法が合理的かつ妥当なものであり、かつ、その算出された付加保険料が不当に差別的なものとなっていないことが確保されているか。特に、付加保険料の割増引きを設定する場合には、契約方法保険料の払込方法等に基づいたものとなっており、事実上の特別利益の提供(法第300条第1項第5号)になっていないことに留意する。

⑤ 関連部門は、販売量拡大収益追及を重視する、例えば、営業推進部門や収益部門から不当な影響を受けることなく、商品に伴うリスク、販売上の留意点等の商品の課題に対する検討を行っているか。また、検討内容等について、取締役会等又はとりまとめ部門等(商品開発の全般を管理する取締役等を含む。)に対し、直接、必要に応じ随時報告を行っているか。

⑥ 関連部門は、取締役会等又はとりまとめ部門等に対して分かりやすく、かつ、商品開発に係わる経営に重大な影響を与える情報を網羅し、正確に報告しているか。

⑦ 商品開発の全般を管理する取締役等や商品開発部門の長に権限が委ねられている商品開発上の事項について、適切な権限行使がなされているかを定期的に点検・監査するなどの管理が行われているか。

⑧ 商品内容については、既存の各種規程等との整合性がとれているか、表現は適当か、使用データに誤りはないか等、健全性維持適切な業務運営の確保に対するチェックの観点は明確となっているか。

社内態勢の整備にあたっては、募集時のみならず、保険金支払いに至るまで、保険契約者・被保険者・被害者等に対し、適切な対応が図られるよう検討を行っているか。

⑩ 保険約款の作成については、契約者の視点に立って、分かりやすい内容となるよう努めているか。なお、専門用語法律用語の安易な使用が保険契約者の保険約款に対する理解を困難なものにすることに留意しているか。

⑪ 保険契約の内容に影響を与える法令等の改正履歴及び改正予定について、遺漏なく把握すべく態勢を整備しているか。また、保険法においては、介入権、被保険者による解除請求、危険の増減、保険料の未経過期間に対応した合理的かつ適切な金額の返還など保険契約に係る制度が改正及び新設されており、当該制度に適切に対応できる態勢を整備しているか。

⑫ 保険商品の開発等に係るシステム開発時のチェック及びシステム開発後のチェック・管理については、「Ⅱ-3-14-2 システムリスク管理態勢」も参照のこと。

(6) 申請手続きのための検討体制

申請関係書類(当局の審査に必要と認められる資料を含む。)を作成する場合に、事前に十分な検討を行っているか。また、充分な募集体制整備が図られるよう、できるだけ早期に計画的に準備し、時間的余裕をもって申請を行うことができるよう努めているか。

② 各関連部門のチェックの後に全般的なチェックを実施しているか。また、チェックを統括する責任者は明確となっているか。

(7) 当局審査における指摘事項等に対する対応

① 主な指摘事項に対する検討状況や検討結果を事後的に確認可能であるように記録しているか。

② 取締役会等で議論の前提となっていた収支予測保険引受リスクコンプライアンス販売計画システム開発等へ影響を及ぼすなど、特に重要な指摘事項については取締役会等において議論しているか。

(8) 書類全体に係る正確性確保のための体制

書類の作成に際して、申請書類作成担当者以外の職員(メンバー)による読み合わせの励行等、複層的チェックを行う態勢の確立などにより、記載内容に係る正確性確保のための措置を講じているか。

(9) 商品販売開始前の態勢

① 販売商品に係る業務規程の整備、販売資料の作成・確認、契約データ管理、必要なシステム対応等の態勢が整備されるよう準備期間をとっているか。

② 本店のみならず、営業店(保険代理店(「生命保険代理店」(法第 2 条第 19 項に規定する「生命保険募集人」のうち、生命保険会社の委託を受けた者、若しくは、その者(法第 275 条第 3 項に基づく認可を受けた者に限る。)の再委託を受けた者で、その生命保険会社のために保険契約の締結の代理又は媒介を行う者をいう。以下同じ。)及び「損害保険代理店」(法第 2 条第 21 項に規定する者をいう。以下同じ。))を含む。)に対し、業務規程の内容顧客への説明方法等の募集時の留意事項について充分に周知が図られるよう準備期間をとっているか。

(10) 商品販売開始後のフォローアップ

リスク管理を適切に行うために、商品開発プロセスの中にフォローアップが組み込まれているか。

② 販売後のフォローアップについて、その視点、担当部署時期手法結果の利用方法は明確に定められているか。

③ フォローアップを販売開始後の適切な時点で実施しているか。

④ フォローアップ結果は取締役会等に対して直接、必要に応じ随時報告されているか。また、報告の内容は分かりやすく、かつ、正確なものとなっているか。

保険契約の引受けが業務規程に則って行われていることのチェックを実施しているか。

特に、本店以外の部署に保険契約の引受けに係る裁量権があるものについて、その裁量権の内容を理解した引受けが行われていることのチェックを実施しているか。

⑥ 保険種類別などの適切な単位ごとに収支分析保険料及び責任準備金の計算基礎率の妥当性の検証を実施しているか。

特に、特約自由方式が可能な契約を主たる対象とする集団とそれ以外の集団が混在する保険種類にあっては、その集団別に検証を実施しているか。

⑦ 上記⑥の検証結果等を踏まえ、必要に応じて基礎率の改定を実施しているか。

⑧ 想定外の収支の悪化リスクの増大を防ぐために、少なくとも基礎率を同じくする保険契約の区分ごとに発生率の変動要因を分析・検証し、悪化の場合にはその原因を特定できるよう定期的なモニタリングを行い、販売方針の変更商品内容価格の改定、売り止め等の対応を適時に検討するための管理態勢を整備しているか。

⑨ 商品に対する顧客保険代理店からの意見収集などによるフォローアップの結果を、今後の商品開発に反映させるための体制を整備しているか。

監督指針_Ⅱ-2-5-3 監督手法・対応

商品開発に係る内部管理態勢について問題があると認められる場合には、必要に応じて法第 128 条に基づき報告を求め、重大な問題があると認められる場合には、法第 132 条に基づき行政処分を行うものとする。

解約返戻金等に関する法令

民法第五百四十条(解除権の行使)

契約又は法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときは、その解除は、相手方に対する意思表示によってする。

2 前項の意思表示は、撤回することができない

民法第五百四十五条(解除の効果)

当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。

2 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。

3 第一項本文の場合において、金銭以外の物を返還するときは、その受領の時以後に生じた果実をも返還しなければならない。

4 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。

民法第七百三条(不当利得の返還義務)

法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う

保険法第54条(保険契約者による解除)

保険契約者は、いつでも生命保険契約を解除することができる。(任意規定)

保険法第59条(解除の効力)

生命保険契約の解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。(略)

保険法第63条(保険料積立金の払戻し)

保険者は、次に掲げる事由により生命保険契約が終了した場合には、保険契約者に対し、当該終了の時における保険料積立金(受領した保険料の総額のうち、当該生命保険契約に係る保険給付に充てるべきものとして、保険料又は保険給付の額を定めるための予定死亡率、予定利率その他の計算の基礎を用いて算出される金額に相当する部分をいう。)を払い戻さなければならない。ただし、保険者が保険給付を行う責任を負うときは、この限りでない。(略)

保険業法施行規則第10条(保険料及び責任準備金の算出方法書の記載事項)

免許申請者は、法第3条第4項の生命保険業免許の申請の場合にあっては第1号から第6号まで及び第8号に掲げる事項を、同条第5項の損害保険業免許の申請の場合にあっては第1号から第4号まで及び第6号から第8号までに掲げる事項(第3号に掲げる事項にあっては第70条第1項第1号イの保険料積立金(以下この条において単に「保険料積立金」という。)を計算する保険契約又は同項第3号の払戻積立金を積み立てる保険契約に係る事項に、第4号に掲げる事項にあっては社員に対する剰余金の分配又は契約者配当を行う保険契約に係る事項に、第6号に掲げる事項にあっては保険料積立金を計算する保険契約に係る事項に、それぞれ限るものとする。)を、法第4条第2項第4号に掲げる書類に記載しなければならない。

保険料の計算の方法(その計算の基礎となる係数を要する場合においては、その係数を含む。)に関する事項

責任準備金(法第116条第1項の責任準備金をいう。以下この章から第8章までにおいて同じ。)の計算の方法(その計算の基礎となる係数を要する場合においては、その係数を含む。)に関する事項

返戻金の額その他の被保険者のために積み立てるべき額を基礎として計算した金額(以下「契約者価額」という。)の計算の方法及びその基礎に関する事項

四 第30条の5第1項第1号の社員配当準備金又は第64条第1項の契約者配当準備金及び社員に対する剰余金の分配又は契約者配当の計算の方法に関する事項

未収保険料の計上に関する事項

保険金額保険の種類又は保険期間変更する場合における計算の方法に関する事項

純保険料(保険料のうち将来の保険金の支払に充てられると見込まれるものをいう。第122条及び第211条の6において同じ。)に関する事項

八 その他保険数理に関して必要な事項

保険業法第5条(免許審査基準)

内閣総理大臣は、第3条第1項の免許の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。

(略)

三 前条第2項第2号及び第3号に掲げる書類に記載された事項が次に掲げる基準に適合するものであること。

イ 保険契約の内容が、保険契約者、被保険者、保険金額を受け取るべき者その他の関係者(以下「保険契約者等」という。)の保護に欠けるおそれのないものであること。

ロ 保険契約の内容に関し、特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。

ハ 保険契約の内容が、公の秩序又は善良の風俗を害する行為を助長し、又は誘発するおそれのないものであること。

ニ 保険契約者等の権利義務その他保険契約の内容が、保険契約者等にとって明確かつ平易に定められたものであること。

ホ その他内閣府令で定める基準

四 前条第2項第4号に掲げる書類に記載された事項が次に掲げる基準に適合するものであること。

イ 保険料及び責任準備金の算出方法が、保険数理に基づき、合理的かつ妥当なものであること。

ロ 保険料に関し、特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。

ハ その他内閣府令で定める基準

(略)

生保1所見ノート_1989,1990

生保1_所見問題

1989-3-1_解約返戻金

問題

解約返戻金について、現在一般に用いられている算出方法とその考え方を述べ、今後の在り方について論述せよ

回答の骨子

  • 解約控除の設定
    • 答案では10年にわたり線形補完としている。
    • 今日的には次の要素がある
    • 低・無解約返戻金型商品と予定解約率の設定
    • 解約返戻金額の最低保証のある変額年金とそのオプション性
    • MVAの機能のある商品
    • 保険料計算基礎率と標準責任準備金制度の関係
  • 解約控除の意義
    • 新契約費支出の回収
    • 投資上の不利益
    • 逆選択防止
    • ペナルティー
    • (今は挙げられていない)解約事務処理のための手数料
    • (今は挙げられていない)大数の法則の維持
  • 公平性の問題:特に残存する契約者との公平性
  • (今は挙げられていない)簡便性:ITの発達した今日ではあまり意識されないか。MVAとかは責任準備金にも跳ねて面倒だが
  • 開示の問題:返戻金額を記載した表を送っているがそれで十分か。(今でも大して変わってないような気がする)

1989-3-2_疾病入院の発生率

問題

疾病入院特約(保険)の基礎的経験率が上昇傾向にある場合、基礎率のあり方、既契約対応等、考慮すべき点について所見を述べよ

回答の骨子

  • 第三分野の特性
    • 経済・社会動向に対してより顕著に反応する
    • 医療技術の高度化、医療費水準の高度化、医療機関の利便性の拡大により影響を受ける
    • 入院の判断は主観的
  • 対応策
    • 売り止め・料率改定
    • 安全割増の見直し
    • 不担保期間の見直し
    • 保険期間の短縮
    • 給付内容の改定
    • 責任準備金の積増し(危険準備金含む)
    • 新旧商品との公平性は配当等で対応
  • 今日的に追加したいもの

1990-3-1_アセットシェアの応用

問題

我が国においてアセットシェア概念の応用が可能と思われる事例をあげ、その目的、内容、留意点を説明し、併せて、その手法の持つ意義、問題点について述べよ

回答の骨子

  • 配当率設定の基準や新商品開発に際しての収益検証
  • 非経済前提の設定
  • 経済前提の設定
  • 投資した金額を回収できるか、回収年度はどの程度か
  • 利率によるブレの大きさ
  • 収支分析などを各社行っている現在においてはあまり意義がない回答可

1900-3-2_新しい分野の医療保険

問題

新しい分野の医療保険(例えば高度先進医療保険等)を開発するにあたって、アクチュアリーとして留意すべき事項を挙げ、所見を述べよ

回答の骨子

  • 少子高齢化等、ニーズ
  • 商品性
    • 過大な給付(オーバーインシュアランス)の回避
    • 不要な医療行為の回避
    • 特約か主契約か
    • 金銭給付か現物給付か(現物給付は特に、医師が治療を進めたりと不要な医療行為が起きる可能性がある)
    • (今だったら)更新タイプや待期間等、不確実性を抑えるための商品性を導入。
  • 発生率の設定
    • 厚生労働省の統計データ
    • 独自調査
    • 過去の給付の発生
    • (今だったら)自社の査定・給付事由を踏まえた統計データ
    • (今だったら)他社の保険料水準
    • (今だったら)安全割増の水準、あり方。祖発生率の作成方法
  • そのほかの基礎率
    • 予定事業費率体系
      • S比例の体系はなじまない可能性がある(なぜか触れてないけど)
    • 死亡率は第三分野用等死亡保険用とは異なるもの
  • 発生率悪化に対する対応
    • 再保険の活用
    • 危険準備金の積み立て
    • 配当率の引き下げ(当時らしい)
    • 基礎率変更権
    • 売り止めの検討

生保2_法令

保険業法第55条(基金利息の支払等の制限)

基金利息の支払は、貸借対照表上の純資産額から次に掲げる金額の合計額を控除した額(第55条の3第3項第1号において「利息支払限度額」という。)を限度として行うことができる。

一 基金の総額

二 損失てん補準備金及び第56条の基金償却積立金の額(第59条第2項の規定により取り崩した基金償却積立金の額があるときは、その合計額を含む。次項において同じ。)

三 その他内閣府令で定める額

2. 基金の償却又は剰余金の分配は、貸借対照表上の純資産額から次に掲げる金額の合計額を控除した額(第55条の3第3項第2号において「償却等限度額」という。)を限度として行うことができる。ただし、第113条前段(第272条の18において準用する場合を含む。)の規定により貸借対照表の資産の部に計上した額の全額を償却した後でなければ、これを行うことができない。

一 基金の総額

二 損失てん補準備金及び第56条の基金償却積立金の額

三 前項の基金利息の支払額

四 その決算期に積み立てることを要する損失てん補準備金の額

五 その他内閣府令で定める額

3. (略)

保険業法第113条(事業費等の償却)

保険会社は、当該保険会社の成立後の最初の5事業年度の事業費に係る金額その他内閣府令で定める金額を、貸借対照表の資産の部に計上することができる。この場合において、当該保険会社は、定款で定めるところにより、当該計上した金額を当該保険会社の成立後10年以内に償却しなければならない。

(基金の償却又は剰余金の分配は事業費等の償却が完了した後でなければ実施できないということ)

保険業法施行規則第30条(基金利息の支払等における控除額)

法第55条第1項第3号に規定する内閣府令で定める額(利息支払限度額のこと)は、最終事業年度の末日における貸借対照表に計上した次に掲げる額とする。

一 基金申込証拠金の科目に計上した額

二 再評価積立金の科目に計上した額

三 その他有価証券評価差額金(略)の科目に計上した額(零以上である場合に限る。)

四 繰延ヘッジ損益(略)の科目に計上した額

五 土地再評価差額金(略)の科目に計上した額(零以上である場合に限る。)

2. 法第55条第2項第5号に規定する内閣府令で定める額(償却等限度額のこと)は、最終事業年度の末日における貸借対照表に計上した次に掲げる額とする。

一 基金申込証拠金の科目に計上した額

二 再評価積立金の科目に計上した額

三 のれん等調整額(略)が次のイからハまでに掲げる場合に該当する場合における当該イからハまでに定める額

イ 当該のれん等調整額が基金等金額(最終事業年度の末日における基金基金申込証拠金、基金償却積立金、再評価積立金及び損失てん補準備金の額の合計額をいう。以下この号において同じ。)以下である場合 零

ロ 当該のれん等調整額が基金等金額及び最終事業年度の末日における基金償却積立金減少差益の額の合計額以下である場合(イに掲げる場合を除く。) 当該のれん等調整額から基金等金額を減じて得た額

ハ 当該のれん等調整額が基金等金額及び最終事業年度の末日における基金償却積立金減少差益の額の合計額を超えている場合 次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める額

(1) 最終事業年度の末日におけるのれんの額を2で除して得た額が基金等金額及び最終事業年度の末日における基金償却積立金減少差益の額の合計額以下の場合 当該のれん等調整額から基金等金額を減じて得た額

(2) 最終事業年度の末日におけるのれんの額を2で除して得た額が基金等金額及び最終事業年度の末日における基金償却積立金減少差益の額の合計額を超えている場合 最終事業年度の末日における基金償却積立金減少差益の額及び繰延資産として計上した額の合計額

四 その他有価証券評価差額金の科目に計上した額(零以上である場合に限る。)

五 繰延ヘッジ損益の科目に計上した額

六 土地再評価差額金の科目に計上した額(零以上である場合に限る。)

保険業法施行規則第64条(契約者配当準備金)

保険会社である株式会社が契約者配当に充てるため積み立てる準備金は、契約者配当準備金とする。

2. 生命保険株式会社は、前項の契約者配当準備金に、次に掲げるものの合計額を超えて繰り入れてはならない。

一 積立配当(略)の額

二 未払配当(略)の額(決算期においては、翌期に分配する予定の配当の額を含む。)

三 全件消滅時配当(略)の額

四 その他前3号に掲げるものに準ずるものとして法第4条第2項第4号(保険料及び責任準備金の算出方法書)に掲げる書類において定める方法により計算した額

商法288条利益準備金

会社は、その資本4分の1に達するまでは、毎決算期に利益の処分として支出する金額の10分の1以上を、第293条の5第①項(中間配当)の金銭の分配をするごとにその分配額の10分の1利益準備金として積立てなければならない。

商法288条の2資本準備金

① 次に掲げる金額は、資本準備金として積み立てなければならない。 一 株式の発行価額中、資本に組み入れない額 二 株式交換をした場合に、第357条前段(株式交換)に規定する資本増加の限度額が、完全親会社の増加した資本の額を超えるときは、その超過額 三 株式移転をした場合に、第367条前段(株式移転)に規定する資本の限度額が設立した完全親会社の資本の額を超えるときは、その超過額

会社法第445条第4項

剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に十分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。

第121条(保険計理人の職務)

保険計理人は、毎決算期において、次に掲げる事項について、内閣府令で定めるところにより確認し、その結果を記載した意見書取締役会に提出しなければならない。

一 内閣府令で定める保険契約(生命保険会社ではすべての保険契約)に係る責任準備金健全な保険数理に基づいて積み立てられているかどうか。

二 契約者配当又は社員に対する剰余金の分配公正かつ衡平に行われているかどうか。

三 その他内閣府令(財産の状況)で定める事項

2. 保険計理人は、前項の意見書を取締役会に提出した後、遅滞なく、その写し内閣総理大臣に提出しなければならない。

3. 内閣総理大臣は、保険計理人に対し、前項の意見書の写しについてその説明を求め、その他その職務に属する事項について意見を求めることができる。

4. 前3項に定めるもののほか、第1項の意見書に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

保険業法施行規則第79条の2(保険計理人の確認事項)

法第121条第1項第3号に規定する内閣府令で定める事項は、生命保険会社にあっては、次の第1号に掲げる事項とし、損害保険会社にあっては、次に掲げる事項とする。

財産の状況に関する事項としてイ及びロに掲げるもの

将来の収支保険数理に基づき合理的に予測した結果に照らし、保険業の継続が困難であるかどうか。

保険金等の支払能力の充実の状況が保険数理に基づき適当であるかどうか。

二 (略)

実務基準第27条(財産の状況の確認)

1.保険計理人は、法第 121 条第 1 項第 3 号および規則第 79 条の 2 第 1 号に基づき、財産の状況に関し、以下を確認しなければならない。

① 将来にわたり、保険業の継続の観点から適正な水準(以下「事業継続基準」という。)を維持することができるかどうか

② 保険金等の支払能力の充実の状況が保険数理に基づき適当であるかどうか(以下「ソルベンシー・マージン基準の確認」という。)

2.

① 前項第 1 号の確認は、規則第 80 条第 3 号に定めるところにより、将来の時点における資産の額として合理的な予測に基づき算定される額が、当該将来の時点における負債の額として合理的な予測に基づき算定される額を上回ることを確認することにより行う。

② 前号中「将来の時点における資産の額として合理的な予測に基づき算定される額」とは、事業継続基準の確認に関する将来収支分析(以下「3号収支分析」という。)を行った場合の、資産(時価評価)から規則第 87 条第 3 号に定める額(以下「資産運用リスク相当額」という。)を控除した額をいう。 ただし、評価差額金がマイナスの場合は、前段の金額から当該評価差額金に係る繰延税金資産を控除することとする。

③ 第 1 号中「将来の時点における負債の額として合理的な予測に基づき算定される額」とは、次のイとロの合計額をいう。

イ.第 28 条に定める事業継続基準に係る額

ロ.負債の部の合計額から、次に掲げる額の合計額を控除した額

(1) 責任準備金

(2) 価格変動準備金

(3) 配当準備金未割当額

(4) 評価差額金に係る繰延税金負債

(5) 劣後特約付債務(規則第 86 条、規則第 161 条および規則第 190 条の定めるところによりソルベンシー・マージン総額として計算される額に限る。)

④ 前号ロ(5)に掲げるものの額(平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 1 条第 6 項に定める特定負債性資本調達手段を除く。)については、資産運用リスク相当額を限度とする。

3.第 1 項第 2 号の確認は、以下を踏まえた上で、平成 11 年金融監督庁・大蔵省告示第 3 号に定める算式により得られる比率(以下「ソルベンシー・マージン比率」という。)が 200%以上であることを確認することにより行う。

① 法第 130 条(略)第 1 号に掲げる額(以下「ソルベンシー・マージン総額」という。)が規則第 86 条(略)の規定に照らして適正であること

② 法第 130 条第 2 号に掲げる額(以下「リスク合計額」という。)が規則第 87 条(略)の規定に照らして適正であること

実務基準第28条(事業継続基準の計算)

事業継続基準に係る額とは、それぞれの保険契約について、全期チルメル式責任準備金解約返戻金相当額のいずれか大きい方の額を計算したものの合計額とする。

ただし、影響が軽微であると判断される場合には、それぞれの保険契約ごとに、全期チルメル式責任準備金と解約返戻金相当額のいずれか大きい方の額を計算するのではなく、保険数理上妥当な範囲でまとめられた保険契約群団ごとに計算することができる。

実務基準第29条(3号収支分析の実施)

1.3 号収支分析は、第 30 条に基づき、毎年行うものとし、3 号収支分析を行う期間(以下第32条まで「分析期間」という。)は、少なくとも将来10年間とする。

2.保険計理人は、3号収支分析の結果、分析期間中の最初の5年間の事業年度末において、次に定めるイの額が、ロの額を上回ることを確認する。

イ.第 27 条第 2 項第 2 号に定める額 ロ.第 27 条第 2 項第 3 号に定める額

第 30 条(3 号基本シナリオ)

1.3 号収支分析のシナリオの各要素は、以下に定める通りとする。

金利は、直近の長期国債応募者利回りが横ばいで推移するものとする。

株式・不動産の価格や為替レートについては、変動しないものとする。また、外貨建資産の資産運用収益、新契約高、保険契約継続率、死亡率などの保険事故発生率、事業費、資産配分・資産構成比、配当金、価格変動準備金・危険準備金への繰入れ、経営政策の変更および法令の改正については、第 13 条の 2 第 1 項の該当する各号に定める規定を準用する。

配当準備金繰入額のうち積立配当金として留保されるもの等以外は、原則として、契約者に支払われることとし、その額を資産から減少させることとする。

④ 配当準備金の残高は、原則として、前年度決算の配当準備金繰入額のうち積立配当金として留保されるもの、積立配当金の利息、および、積立配当金の引き出し分(保険契約の消滅によるものを含む。)等を考慮して、計算することとする。なお、積立配当金の引き出し分は、その額を資産から減少させることとする。

劣後性債務社債基金については、その約定に従って、利息を支払うこととする。また、期限のあるものについては、期限到来時に約定に従って返済・償還または償却を行ない、期限到来後は再調達しないこととする。

⑥ その他の負債については、著しい変動の予想されるものを除き、原則として、直近の残高がそのまま推移することとする。

2.保険計理人は、保険契約や資産等の特性により、前項に定めるシナリオ(以下この項において「3 号基本シナリオ」という。)に基づき 3 号収支分析を行うことが適当でないと判断する場合は、3 号基本シナリオによらず、他の合理的で客観性のあるシナリオ(このシナリオを「3号任意シナリオ」という。以下同じ。)に基づき、3号収支分析を行うことができるが、その場合は、その旨を意見書に記載するとともに、その3号任意シナリオが正当であることを、附属報告書に示さなくてはならない。

実務基準第 31 条(事業継続基準に関する意見書記載事項)

1.3 号収支分析において、分析期間中の最初の5年間の事業年度末において、次に定めるイの額が、ロの額に不足する(この不足額を「事業継続基準不足相当額」という。以下同じ。)場合は、その旨を、意見書に記載しなければならない。

イ.第 27 条第 2 項第 2 号に定める額

ロ.第 27 条第 2 項第 3 号に定める額

ただし、満期保有目的債券および責任準備金対応債券の含み損を算入しないものとした場合に事業継続基準不足相当額が解消されるときは、分析期間を通じた十分な流動性資産の確保を条件に事業継続困難とはならない旨を、併せて意見書に記載することができる。

2.前項の事業継続基準不足相当額は、3号収支分析における、分析期間中の最初の5年間の事業年度末に生じた事業継続基準不足相当額の現価の最大値とする。

3.3 号収支分析の結果、事業継続基準不足相当額が発生した場合において、保険計理人は、以下の経営政策の変更により、事業継続基準不足相当額を解消することができることを、意見書に示すことができる。

ただし、これらの経営政策の変更は、ただちに行われるものでなくてはならない。

イ.一部または全部の保険種類の配当率の引き下げ

ロ.実現可能と判断できる事業費の抑制

ハ.資産運用方針(ポートフォリオの見直し

ニ.一部または全部の保険種類の新契約募集の抑制

ホ.今後締結する保険契約の営業保険料の引き上げ

4.1 号収支分析において、責任準備金不足相当額が発生した場合において、追加責任準備金の一部または全部を積み立てず、経営政策の変更により対応するとき3号収支分析においても、事業継続基準不足相当額が発生し、これも経営政策の変更により対応するときは、その両者の経営政策の変更について、以下の通りとする。

イ.両者の経営政策の変更が同様の内容である場合 経営政策の変更の幅が大きい方を実施する

ロ.両者の経営政策の変更が異なる内容である場合 原則として、両方の経営政策の変更を実施する

5.前項に従い、経営政策の変更により、事業継続基準不足相当額を解消できることを、意見書に示す場合、意見書には、具体的な経営政策の変更の内容を記載するとともに、附属報告書に、その経営政策の変更を実現することにより、事業継続基準不足相当額を解消できることを示さなくてはならない。

また、翌事業年度の意見書に、

イ.経営政策の変更が実現されたかどうか

ロ.経営政策の変更の一部または全部が実現されなかった場合、その原因は何か

ハ.経営政策の変更の一部または全部が実現されなかった場合、これらの経営政策の変更について、今後、どのように対応するか

について記載しなくてはならない。

6.保険計理人は、事業継続基準不足相当額について、その他必要なことがあれば、意見書または附属報告書に記載しなくてはならない

32条(過去の3号収支分析の結果との比較)

保険計理人は、第30条または第31条による3号収支分析の結果が、過去の分析の結果と著しく相違する場合は、その原因を附属報告書に記載しなければならない。

第33条(ソルベンシー・マージン総額)

保険計理人は、第 27 条第 3 項第 1 号の確認を以下の通り行わなければならない。

① 規則第86条第1項第1号に定める資本金又は基金等の額について、監査役および会計監査人等へ監査を受けるべく提出された計算書類(以下「計算書類」という。)等が誤謬なく参照され、同号に従い計算されていること

② 規則第 86 条第 1 項第 2 号に定める価格変動準備金について、計算書類が誤謬なく参照されていること

③ 規則第 86 条第 1 項第 3 号に定める危険準備金について、第 9 条第 3 項第 3 号に基づき確認した金額と同額であること

④ 規則第 86 条第 1 項第 4 号に定める一般貸倒引当金について、担当部門から報告された数値が誤謬なく参照されていること

⑤ 規則第 86 条第 1 項第 5 号に定めるその他有価証券の評価差額の一部又は全部、および同項第 6 号に定める土地の含み損益の一部又は全部について、担当部門から報告された数値が誤謬なく参照され、同号および平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 1 条第 2 項および第 3 項に従い計算されていること

⑥ 規則第 86 条第 1 項第 7 号に基づき、平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 1 条第 4 項第 1 号イに定める保険料積立金等余剰部分について、計算書類等または担当部門から報告された数値が誤謬なく参照され、第 9 条第 3 項に基づく確認を踏まえ、平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 1 条第 4 項第 1 号イおよび同条第 5 項に従い計算されていること

ここで、平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 1 条第 4 項第 1 号イ(3)に定める額(以下「保険料積立金等余剰部分控除額」という。)は、第 34 条に従って、ソルベンシー・マージン基準の確認に関する将来収支分析(以下「3 号の 2 収支分析」という。)を行い、第 37 条に定める保険料積立金等余剰部分控除額の下限以上であることとする。

ただし、保険料積立金等余剰部分控除額の下限がゼロであることが、1 号収支分析の結果から判断できる場合は、3 号の 2 収支分析を行わないことができる。この場合において、その根拠を附属報告書に示さなくてはならない。

⑦ 規則第 86 条第 1 項第 7 号に基づき、平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 1 条第 4 項第 2 号に定める配当準備金未割当部分について、第 17 条から第 26 条に定める 法第 121 条第 1 項第 2 号の確認を踏まえ、平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 1 条第 4 項第 2 号に従い計算されていること

⑧ 規則第 86 条第 1 項第 7 号に基づき、平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 1 条第 4 項第 3 号に定める税効果相当額について、計算書類が誤謬なく参照され、同号およ び同条第 7 項に従い計算されていること

⑨ 規則第 86 条第 1 項第 7 号に基づき、平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 1 条第 4 項第 4 号に定める持込資本金等について、計算書類が誤謬なく参照されていること

⑩ 規則第 86 条第 1 項第 7 号に基づき、平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 1 条第 4 項第 5 号に定める負債性資本調達手段等について、担当部門から報告された数値が誤謬なく参照され、同条第 5 項に従い計算されていること

⑪ 平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 1 条の 2 に定める控除額について、担当部門から報告された数値が誤謬なく参照されていること

⑫ 規則第 86 条第 1 項に基づき、平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 1 条第 1 項に定める繰延税金資産の不算入額について、担当部門から報告された数値が誤謬なく参照され、同項に従い計算されていること。

実務基準第 34 条(3 号の 2 収支分析の実施)

1.3 号の 2 収支分析は、第 35 条に基づき、毎年行うものとし、3 号の 2 収支分析を行う期間(以下第 37 条まで「分析期間」という。)は、将来 5 年間とする

2.3 号の 2 収支分析は、会社全体について行う。

実務基準第 37 条(保険料積立金等余剰部分控除額の下限の算定)

1.第 33 条第 6 号の保険料積立金等余剰部分控除額の下限は、分析期間中の事業年度末に生じた事業継続基準に係る額の不足額の現価の最大値とする。

なお、ソルベンシー・マージン比率の算出を行う日において、規則第 69 条第 5 項の規定に基づき積み立てた保険料積立金の額を積み立てていないものとして計算を行う。

2.前項の計算を行うにあたり、保険計理人が合理的と判断する場合は、事業継続基準に係る額に代えて、第 9 条に規定する責任準備金(危険準備金を除く。)を用いることができるものとする。

この場合において、その根拠を附属報告書に示さなくてはならない。

実務基準第 38 条(リスク合計額)

保険計理人は、第 27 条第 3 項第 2 号の確認を以下の通り行わなければならない。

① 規則第 87 条第 1 号に定める額(保険リスク相当額)について、担当部門から報告された数値が誤謬なく参照され、同号および平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 2 条第1 項に従い計算されていること

② 規則第 87 条第 1 号の 2 に定める額(第三分野保険の保険リスク相当額)について、担当部門から報告された数値が誤謬なく参照され、同号および平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 2 条第 2 項に従い計算されていること

③ 規則第 87 条第 2 号に定める額(予定利率リスク相当額)について、担当部門から報告された数値が誤謬なく参照され、同号および平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 2 条第 3 項に従い計算されていること

④ 規則第 87 条第 2 号の 2 に定める額(最低保証リスク相当額)について、担当部門から報告された数値が誤謬なく参照され、同号および平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 2 条第 4 項に従い計算されていること

⑤ 規則第 87 条第 3 号に定める額(資産運用リスク相当額)について、担当部門から報告された数値が誤謬なく参照されていること

ただし、平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 2 条第 10 項第 1 号に定める再保険リスク相当額および同項第 2 号に定める再保険回収リスク相当額については、第 16 条に基づく確認を踏まえ、平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 2 条第 10 項に従い計算されていること

⑥ 規則第 87 条第 4 号に定める額(経営管理リスク相当額)について、担当部門から報告された数値が誤謬なく参照され、同号及び平成 8 年大蔵省告示第 50 号第 2 条第 11 項に従い計算されていること

⑦ リスク合計額が、平成 8 年大蔵省告示第 50 号別表 18 に従い計算されていること