算出方法書の審査
Ⅳ-5 保険数理
算出方法書の審査にあたっては、特に以下の点に留意することとする。
Ⅳ-5-1 保険料
(1) 保険料の算出方法については、十分性や公平性等を考慮して、合理的かつ妥当なものとなっているか。
(2) 保険料については、被保険者群団間及び保険種類間等で、不当な差別的扱いをするものとなっていないか。
(3) 予定発生率・損害額又は予定解約率等については、基礎データに基づいて合理的に算出が行われ、かつ、基礎データの信頼度に応じた補整が行われているか。
(4) 予定利率については、保険種類、保険期間、保険料の払方、運用実績や将来の利回り予想等を基に、合理的かつ長期的な観点から適切な設定が行われているか。
(5) 予定利率変動型商品の予定利率については、保険契約者等の保護の観点から、恣意性のない合理的な見直しルールが定められているか。
(6) 付加保険料(事業費の割増引を含む。)の設定について、係数によらずに 定性的な表現で記載するときは以下の条件を満たしているか。
① 保険種類間の公平性が損なわれておらず、事業費の支出見込額に対して妥当であるなど適切なレベルとすることを明確にしているか。
② Ⅱ-2-5-2(5)④の主旨に則り、明確に社内規定等で定めることとしているか。
③ (1)(2)の観点を踏まえ、付加保険料の設定に応じ、その重要度を勘案した上で分類した保険種類及び販売経路などの別ごとのモニタリング資料を提出しているか。また、モニタリング資料の基礎となる資料を添付しているか。
(7) 保障等の内容の改定に伴って、料率の改定を行っていない場合において、料率改定の必要性について十分な検証を行っているか。
Ⅳ-5-2 責任準備金
(1) 責任準備金の審査にあたっては、「Ⅱ-2-1-2 積立方式」に規定する事項について、特に留意することとする。
(2) 商品の設計上、契約期間初期の給付を大きくすること若しくは契約期間初期の給付を大きくすること又は保険料を後払いにすることについては、責任準備金が負値とならないように設定されているか。なお、責任準備金の計算上、負値となる契約に係る責任準備金をゼロとする対応をとる場合においては、財務の健全性確保に関する十分な検討がなされているかに留意する。
(3) マーケット・ヴァリュー・アジャストメントの仕組みを持つ商品の責任準備金については、保険料積立金と解約返戻金とのいずれか大きい額を積み立てることとなっているか。
Ⅳ-5-3 契約者価額
解約返戻金については、支出した事業費及び投資上の損失、保険設計上の仕組み等に照らし、合理的かつ妥当に設定し、保険契約者にとって不当に不利益なものとなっていないか。